ナンカルツェの概要
ロカ地区の南端、シガツェ地区と境界を接するところにあるナンカルツェ県は、県内をカンティセ山脈が横断しているため、平均の標高はロカ地区で最も高く、6000mを越える高峰も6峰を数える。その中心となるのが、標高4450mのところにあるナンカルツェ鎮。
この町は、14世紀中期にパクモド政権(ヤルルン溪谷を中心とした地方政権)がこの地にナンカルツェ・ゾンを築いたことに起源をもつ。1954年にはナンカルツェ・ゾンとペンデ・ゾンに分割されたが、中国がチベットを掌握した1960年には再び統合され、ナンカルツェ県となった。
古くからラサとシガツェを結ぶ街道の中継地をして重視されていたが、1990年代にチュシュを経由するルートが完成してからは、交通路としての重要度は低くなった。
しかし、県内北東路にトルコ石の湖と賞されるヤムドク湖(チベット語ではヤムドク・ツォ)、西部にカロー峠などがあり、観光客が激増している(大部分は中国人)、現在でもチベット有数の人気ルートである。
また、チベット仏教四大宗派のひとつカギュ派の始祖マルパやチベットで最も有名な宗教家であり吟遊詩人でもあったミラレパ彼はマルパの故郷としても有名で、ヤムドク湖の南部(ロダク地方という)には、マルパやミラレパゆかりの寺院が多数ある。

