峨眉山(がびざん)
四川盆地西端、青衣江の流域にあたる。楽山の西45キロ。標高3099メートル。
西から東に向かって大峨、中峨、小峨と三山が連なる。北魏時代の地理書・水経注に曰く「山は成都を去ること千里。秋日、清澄なれば、両山を望見でき、相対峙すること蛾の眉のごとし」。仏教、道教ともに聖地とする。特に仏教では、四大名山のひとつとする(他の三つは、普陀山、九華山、五台山)。
気象条件から霧に覆われることが多い。遠望しても、また、山に入り雲海のなかを歩いても、古来「仙境」と呼び慣わされてきたように、神秘的な雰囲気に満ちた山である。
李白は青年時代しばしばこの山に遊び、「峨眉山月歌」という詩を残している。
峨眉山月 半輪の秋
影は平羌の江水に入りて流る
夜、清渓を発して三峡に向う
君を思えども見えず、渝州(ゆしゅう)に下る
岷江は、平羌峡から楽山までを平羌江ともいう。この詩に言う「三峡」は長江の三峡のことではなく、嘉州(楽山の古名)三峡のことで、犂頭峡、背峨峡、平羌峡の三峡を言う。古来、岷江から長江に出るに避けられない交通の要路であり激しい流れで知られる。渝州は今の重慶である。

