九寨溝は水が作り出している。長海から流れ出した水は6km下って右からの流れと合流する間に観光客に珍しい光景を見せてくれる。
まず五彩海。おおかた水の色が五色あるのだろうと簡単に考えてバスから降りなくてもいいよという声もあったが、下り5分上り25分の急な階段を下りてみる価値がある。5分の階段を一気に下ろうとするが腿の前がつっぱって元気には歩けない。そんな体力のマイナスも湖面を見たとたん吹き飛んだ。海というにはあまりに小さい。池という感じでもあるが、水、まったく純の水。ある部分は山を映して木々の緑そのままだし、ある部分は空の青を映してその青より深く、またある部分は底の白さをそのまま見せてくれるし、水中の倒木を不気味なまでに神秘的に浮き上がらせる。少し遠くに視線を移せば、風にさざ波がキラキラと金色に輝いている。湖面に張り出した大木に乗って記念写真を撮るのも疲れを回復させるだけではない。
しかし疲れる。ここでも3000mを越えているのだから帰りの登りの急坂は特に息が切れる。休むところには必ず土産物を売っている人がいる。財布はバスの中だし買う気もないのだが、疲れを取るためには見た方がいい。例によって余りしつこくない。さっき見たばかりの石蜜もあったし、きれいに編んだ民族模様のバッグ、どこにでもありそうな石、それをつないで作ったネックレス。う~ん、興味ない。
もう休まないで一気に上がれそうだと思ってから2度休んで、ようやく上から五彩海を眺める。下で見た時よりも感動は少ないが、やはりきれいだ。シャッターを切る。隣にいた60過ぎのおじさんが台湾から来た人だという。日本語が上手で、同じコースを回っていると話していた。
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