― チベットの葬式のやり方 ―
チベットの葬式のやり方には、
①鳥葬(風葬または天葬ともいう)②火葬③水葬④土葬、という4通りの方法がある。これ以外に、法王や活仏などといった一部の貴いラマだけが対象となる「塔葬」という特別なやり方があり、歴代のダライ・ラマの遺体は乾燥してミイラ化され、ポタラ宮にある霊塔の中に今でも収められている。
一般人を対象とする四つやり方のうち、最も代表的なのが「鳥葬」で、大多数のチベット人の葬儀がこの方法で行われている。「火葬」は高位高官や高僧のための葬礼。普通の僧侶はあくまで鳥葬にされる。「水葬」は主に経済的に恵まれない人を対象とする余り上等な葬礼ではない。ただし、近くに大きな川があるチベット南部などの地域では、ごく一般的に行われているようだ。遺体はそのまま川に投げ込むのではなく、魚が食い易いように首や手足をばらばらに切断してから流すという。そして「土葬」。これは、伝染病で死んだ人や殺人・放火などの重罪人などが対象となる。こうした人達には、習慣的、法律的にも鳥葬や水葬が許されていないのである。特に伝染病にかかった遺体は、鳥葬や水葬にすれば病気が蔓延する恐れがあるし、また、チベットには薪になる木が少ないことから、土に埋める以外に方法がないという理由もある。
葬式は、必ずしも人が死んだら直ぐに行うという訳にはいかない。チベット特有の「日の吉凶」があるので、葬儀の日時や方法などはラマと相談してからでないと決められないのだ。だから、遺体がない日は勿論のこと、凶の日に鳥葬を見に行ってもやっていない。
通常、死んでから数日後の早朝に出棺の儀式があり、家族全員が白い布で巻いた遺体を家の前で見送る。ただし、家族が葬儀の場所に行くことはない。