独龍族

トゥルン族は、総人口が5825人(1990年)で、ヌーおもにラオス北部国境沿いの、雲南省西北端の怒江リスコンシヤン族自治州貢山トゥルン族ヌー族自治県に集中的に居住し、とくに、県西部の独竜江(イラワジ川支流エーヤワディー下川上流)両岸の海抜高度1000~2000メートルの山岳地帯に固まって住んでいる。
当地域は、カム高原の西端が雲南省に入る境界に該当し、東は廸慶チベット自治州、北はチベット自治区の察隅地方に接している。また、ラオス領にも約2、3万人が暮らしている。漢籍史料では求人、求子などとも呼ばれてきたが、1952年に正式名称としてトゥルンが採用された。
トゥルン語はチベット・ビルマ語群に属しているが、独竜江と怒江(サルウィン川上流)の二方言に大別され、後者は貢山県のヌー族が使用する。1952年に自称トゥルンが民族名称とされた。中華人民共和国成立以前は、この地方のタイ族の土司あるいは頭人(集落の長)のもとで、農奴としての生活を余儀なくされていた。土司や頭人はトゥルン族の農奴を自由に売買したといわれている。集落は一般に十数戸で形成され、焼畑にともなって集落周辺の約数十里圏を数年ごとに移動する。族長の指揮の下に焼畑耕作を共同で行い、トウモロコシやジャガイモなどを栽培し、食糧や土地を共有する。狩猟にたけ、山神(チプラ)を祀って集団で狩猟を行い、採集や漁携も行う。災害や病気を鬼によるとし、巫師(ナムサ)が駆鬼の儀式を行う。男女とも約2メートルの5色の麻ケットを左肩でとめて体に巻く。亡魂は蝶に転生すると信じ、成年女子は顔に蝶の入れ墨を入れる。〔松岡〕
*チベット高原の諸民族*
チベット族,メンバ族,ロッバ族,イ族,チャン族,回族 ,トゥー族,ユーグ族,トンシャン族,サラール族,プミ族,ボゥナン族,カザフ族,ウイグル族,ペー族,ヌー族,ナシ族,モンゴル族,リス族,トゥルン族,ベマチベット人