甘粛省、河西回廊の西端に位置する敦煌は、紀元前111年の西漢時代に敦煌都として設立されて以来、シルクロードの要衝であり東西文化交流の中心地でした。漢文化をもとに、西域近隣民族・各国などの文化、さらにギリシアやローマ文化を吸収・融合し、敦煌文化は築き上げられたのです。仏教もインドからこの地を経て中国に伝来しました。
その仏教美術の宝庫と呼ばれるのが「莫高窟」です。
敦煌の市街地から東南25kmの鳴沙山東麓の断崖に掘られており、石窟の長さは約1618mにもおよびます。西暦366年、夕陽を浴びて輝く千仏の威厳を感じた僧・楽尊が、石窟を築き修業したのが起源とされています。その後、唐代になると建設が本格的に進み、元代に至るまで約千年もの間、掘り続けられました。現在、492の石窟に合計4万5000㎡の壁画、2400体以上の彩色塑像、唐・宋時代の五軒の木造建築などが保存されています。
こうしている今も、大砂漠の風塵にさらされながら新たな歴史を刻んでいることでしょう。
莫高窟のシンボルとされる九層楼(第96窟)。
周囲に広がる砂漠や鳴沙山(上写真)からの砂や風よけに、ポプラ並木が前面を覆う。
◆アクセス
敦煌へは西安咸陽国際空港から敦煌空港に入るアクセスが便利です。敦煌空港から市街地へは、タクシーで約30分。また莫高窟へは、敦煌の鳴山路からミニバスやタクシーの利用が可能です。尚、西安へは成田・名古屋・福岡・広島から直行便、または経由便が出ています。