九寨溝は総延長60㎞のYの字形の渓谷で、Y字の右上部は日則溝、左上部は則査窪溝と呼ばれ、その昔、この渓谷の周囲に九つの集落(寨)があったことから九寨溝と呼ばれるようになった。
まるでおとぎ話の世界から抜け出したように一点の濁りもないエメラルドグリーンに澄んだ湖や壮大な滝が点在する。
おとぎ話と言えば、チベット族に古くから伝わる伝説がある――遥か昔、勇ましい山の神ダガが、美しい女神オルセモに恋をした。ダガは雲を磨いて鏡を作り、オルセモに送り届けた。ところが、その鏡を受け取る時オルセモは不注意から鏡を地上に落としてしまう。鏡は割れ、108つの破片となって飛び散り湖となった。それが九寨溝の成り立ちだという――