~1996年に世界遺産に登録された仏教の聖山~
峨眉山は中国四川省峨眉山市に位置し、総面積は154㎡、最高峰の万仏頂は海抜3099mあり、著名な観光地であるとともに仏教名山でもある。自然の風景と仏教文化が一体となった中国の国宝級名勝地である。
峨眉山は田畑の中に忽然と聳え立つ、高く秀麗にして歴史ある神聖な山なのである――それは優美な自然風光、悠久の仏教文化、豊富な動植物資源、独特な地質風貌をもって天下に名だたる山なのである。“仙山仏国”“植物の王国”“動物の楽園”“地質博物館”などの様々な異名を持ち“峨眉は天下の秀麗”と賞賛される。
峨眉山は山の上と山の下とで気温差が激しく、それは山麓から山頂まで“一日に四季があり、十里で天候が異なる”と言われるほどである。このような自然環境は多くの植物を育む絶好の条件である。山上には3000種余りもの植物が育ち、中には世界でも希少とされるものが多い。峨眉山を見渡すと、素晴らしい光景に出会うことが出来るのである。
早春の雪が解け始める頃、華厳頂山の中腹でホトトギスが春の到来を告げると、美しい朱色のホトトギスが風を受けてその姿を現し、新緑の森の中をひときわ艶やかに飛び回り、春から夏にかけては海抜2500mの“沙羅坪(坪=山間部の平地)”に色とりどりの高山ツツジが咲き乱れ、まるで海のように咲き誇る――。古木は空高く聳え、泉からあふれ出た水は滝となり、やがて清流となって緑を育む――。季節の変化に伴って姿を変える山は見るものをして飽きさせることはない。
中でも峨眉十景;金頂祥光、象池月夜、九老仙府、洪椿暁雨、白水秋風、双橋清音、大坪霽雪、霊岩畳翠、羅峰晴雲、聖積晩種の眺めは素晴らしく、美しい。
そして自然が生み出した最高芸術と呼ぶべき4つの現象;峨眉宝光、金頂の日の出、峨眉の雲海、菩薩の仏光――。これらは光学現象と言ってしまえばそれまでだが、偶発的なモノだけに必ず見られるとは限らない。そして何よりも美しい。だからこそ人々は神秘を感じ、感動を禁じえないのだ。