えっと、僕、日本のたかだか3000m位の山で高山病なんか起こらないだろう、と思っていたんです。ですが、山の上の診療所の話を聞くと、違うんですね。酸素吸入したとかいう話はざらだし、残念ながら今年は高山病で1人死者も出た。うん、だから、ナメてかかっちゃいけない。
で、まず高山病とは何ぞや、という話から。高山病というのは、山の高いところに行くに従って気圧が下がるのですが、この気圧の変化に体が追いついていかずに起きる症状を言います。主な症状は、まず心拍数が上がったり呼吸数が増えたりするところからはじまります。やがて軽い頭痛が起きて、もう少しひどくなると頭痛がひどくなったり、もしくは気持ち悪い、嘔吐といった症状が出てきます。末期には肺水腫や脳水腫といった症状を経て死に至るのですが、日本の3千mくらいの山で死に至ることは、ニュースになる位本当に例外だと僕は思います。あまり怖がらずにおでかけください。
どの位の標高で起きるかというと、人によって全然違います。それも、先天的に持って生まれたものなので、鍛えることはできないといいます。また、普段高所に強い人でも体調が悪いときにはびっくりするような高度で高山病が出ることもあります。
で、僕が聞いた中では、2000mで高山病の症状が出た、というのがあります。が、一般的には2500mより上あたりで注意が必要で、3000mをこえると症状が出始める人がいる、ような感じだと思います。
(体を慣らすこと)
高山病に対処する方法で一番有効なのは、体をその高度に「徐々に」慣らしていくことと思います。その、「徐々に」が問題で、休みは限られているのが普通ですから、まあだいたいは寝不足のまま登山口へやってきて、そのまま3000mの稜線に出る。で、見事に高山病にハマる。
本当は登山口に1泊するのがベストですが、そんな余裕がある人はまずいないでしょう。車で入る場合、早朝到着ではなくて、前夜に到着して登山口で車中泊かテント泊かすれば、登山口の高度に何時間か滞在することになりますからずいぶん違うと思います。車中泊はしっかり寝られる方法で。ダメなら駐車場にテントを広げた方がいいでしょう。
早朝に到着するつもりなら、前の日はしっかり寝ておくことが肝要だと思います。
公共交通機関の場合は、うまい対処法がないだけに難しいのですが、やはり前夜は1分でも長く寝ておくことにつきるんじゃないかな。高速バスの後ろを陣取って宴会なんかはじめる位なら、しっかり寝ておくことが健全です。普段からできるだけ早寝早起きの癖をつけておいた方がいいでしょう。
1回その高度に慣らしてしまえば、だいたいその「慣れ」は1ヶ月近く持続するようなので、たとえば北アルプスの3000mに登る前の週に、1泊で2500mの甲武信岳に登っておく、富士山に登るのであれば、前の週は3000mの乗鞍岳、とかすれば本番でも高山病はでにくいだろうと思います。
(寝不足はダメ)
寝不足はダメです。寝不足はおそらく高山病をひどくさせます。
(いきなり寝ない)
運動中は酸素を積極的に取り入れるので高山病の影響は出にくいのですが、高度慣れする前に昼寝に入ったりして安静状態になると高山病が出やすい、といいます。ですので、小屋やテント場について、いきなり寝ない。あたりを散歩するとか、
(薬が有効な場合もある)
えっと、ダイアモックスという薬が高山病に有効と言われていて、これは6000m近い高所登山でもよく使われています。処方箋がないと買えないので、高山病の得意なお医者さんを探して事情を話して処方してもらってください。でも、僕は日本の3000m級の山でダイアモックスは大げさだと思います。普通の薬局で売ってる頭痛薬をお守り代わりに持っていくといいでしょう。効果は頭痛をおさえる程度ですが、ほとんどの場合高山病といっても軽い頭痛が出る程度ですので十分役に立ってくれると思います。
(決定的な対処法)
発症してしまった場合、決定的な対処法が1つあります。それは、下山すること。どうにもダメだ、という場合は、下山するとてきめんに治ります。
高山病の症状が出ていても、軽い場合は心配なかろうと思います。で、どの位の症状まで登っていいか。僕は、軽い頭痛がする位までが限度だろう、と思います。吐きはじめちゃったら、下山した方がいい。
(3200mと3800mは、やっぱり違う)
と、僕は思います。3200m(日本第二の高峰北岳)へ行くときは、僕は何も高山病のことは考えずにいきます。でも、3800m(富士山だ)だったら高山病の対策は一応考える。5合目の駐車場についたらそこで仮眠して軽く高度に慣らしていきますし、のぼりもゆっくりです。だいたい8月末なのでアルプス巡りを済ませて3000mあたりには高度を慣らしてあります
(僕の場合)
僕は高所(といっても3000m前後の話)には割合強い体質みたいで、富士山あたりに日帰りで登っても、高山病らしき症状が出ることはありません。が、1度だけやったことがあります。その時は、30キロ近い荷物を背負って一気に標高差1600mを寝不足のまま登り、テントを張るなりそのまま寝てしまったのです。で、起きたら頭が痛かった。何が悪かったかは、おわかりですね。悪いところだらけです
(ちなみに)
ちなみに、低山病というのもあります。山に上がっているうちは調子がいいんだけど、下界へおりてくると疲労感や、仕事やりたくねーよー、が始まって、週末に向かうに従って調子が悪くなる。で、週末山の上へ上がるとピタリと治る。どうです?あなたも低山病を持っていたりしませんか?